わたしは、昔がよかったとはあまり思わない性分です。パソコン大好きだし、新しいものはわりと好きで、変化もきらいじゃない。でも、昔あったもので、今ないもの、そしてときどきむしょうに必要だなと思うもの、それは「暇」です。
子どものころはとにかく暇でした。年の離れた兄姉がいる末っ子で、おけいこごとも塾も行ってなかったので、家でひとりで遊んでいる時間が長かった。テレビももちろん見たけど、暇な時間がやまほどありました。
本や漫画を読んだり、漫画を描いたり、工作や手芸のたぐいもしました(材料がないのでろくなものはできないけど)。さらに暇なときには、庭の植物やありんこを観察したり、台所にあるものを調合してへんなものをつくってみたり、ありあわせのもので科学実験もどきをしてみたりすることもありました。うーん、こう書いてみると、暇がないと嘆いているわりに、いまもあまり生活が変わってないかも・・・。
先日、どなたかが「オルゴールが好き」と書いていらしたのを読んで、思い出しました。わたしもふたが開くと音がなるオルゴールを持っていて、それで長い時間遊んだものです。音色もきれいで好きだったけど、どうしてふたが開くと鳴るのか、どうしてぜんまいが緩んでくると音が遅くなって止まるのか、そしてあのきれいなメロディーはどうやって奏でられるのかが不思議でたまりませんでした。
幼児に毛が生えたくらいの年齢でしたから、飽きずにオルゴールの箱と遊んでいたわけです。そしてしだいに、上の疑問が解決していき、仕組みもわかってきました。だから、実をいうと、オルゴールという言葉や、オルゴールの音を聞くと、まっさきに連想するのは、あの音の鳴る部分の機械部品のイメージなんです。変でしょ?
いまの子どもたちは、学校やいろいろなイベントで想像力や科学の心を育てる工夫がされているけれど、絶対的に「暇」が足りないんじゃないかなと思ったりします。暇をもてあますと、考えるくらいしかやることがなくなるんです。そこから生まれるものもある。子どもにものを与え過ぎている親として、ちょっと複雑な気持になるときがときどきありますね。
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