カラスの王子
今月発売された拙訳書「あなたという仮面の下は (ライムブックス)」(エリザベス・ホイト著)は、18世紀イギリスを舞台としたロマンスです。原題はThe Raven Prince。この本が大ヒットしたことを受けて、The Leopard PrinceとThe Serpent Princeがつづけて発表され、Prince三部作と呼ばれています。
さて、The Raven Princeを直訳すると「カラスの王子」。じつは、この本には、同タイトルのおとぎ話が織り込まれています。このおとぎ話もとても魅力的で、二倍楽しめるしかけになっています。おとぎ話のほうの「カラスの王子」もホイトさんのオリジナルだそうです。
ところで、カラスというと日本で見かけるふつうのカラスはcrowです。ravenは日本語に訳すとワタリガラス。日本で見かけるカラスよりももっと大型のものです。わたしはアラスカで本物のワタリガラスが飛んでいるところを見ましたが、たしかに大きかったです。しかもとても賢いそうです。
crowにせよ、ravenにせよ、カラスと言えば不吉な鳥のイメージですが、そうでもないこともあるようです。昨年、熊野に旅行したときに八咫烏(やたがらす)のことを知りました。そういえば、萩原規子さんの勾玉シリーズでもカラスが重要な役を果たしています。ブリタニカ小項目辞典によると、「神武天皇の建国説話にみえる烏。天皇が熊野から大和に進入しようとして山中で道に迷ったとき,アマテラスオオミカミ(『古事記』ではタカギノカミ)が八咫烏をつかわして,天皇の軍を導き,山中を抜け出させたという」。
この写真の三本足のカラスが八咫烏です。三本の足は、智・仁・勇をあらわすとか、天・地・人をあらわすとか言われているそうです。
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コメント
三本足のからすが神の使いだというのは
漫画で知りました。
それからは「なんとなく不気味」なイメージから
「なんとなく神聖」なイメージにころっと
かわりました。影響されやすい私
投稿: 上様 | 2009年3月15日 (日) 08時02分
上様さん、コメントありがとうございます!
そうですね、何かのきっかけですごくイメージが変わることってありますね。カラスも怖いというより、賢くて神聖とみると、あの黒い頭で何考えてるのかなあなんて思っちゃいます。
投稿: モービー | 2009年3月15日 (日) 20時50分
カラスはとても賢いというか、記憶力が優れています。とある駅を月に2、3回利用するのですが、電車を待つ間に駅前の公園でカラスにたまにおやつをあげることがありました。先週2ヶ月半ぶりにいったら、公園のだいぶ手前だったにもかかわらず、一羽のカラスが私の足下のほんの1.5メートル程先に降りてきて、こちらを見上げるのです。
人間なので服装はいつも違うので、顔で見分けているとしか思えません。『あのしょぼいおばさん、おやつくれるヤツだぜ!』とか思ってんでしょうか?もうびっくりでした。
投稿: ゴンザレス | 2009年3月25日 (水) 20時21分
ゴンザレスさん、コメントありがとうございます!
本や雑誌の記事で、カラスの賢さについてはときどき読みますけど、実際に体験された話をうかがうとやっぱり本当なんだなーと実感されますね。でも、顔まで覚えてしまうというのはほんとにすごい!
投稿: モービー | 2009年3月25日 (水) 21時52分
はじめまして。ロマンスの感想ブログを書いているともみと申します。
「あなたという仮面の下は」の感想を書いていて、念のため「カラスの王子」でググってたらこちらにたどりつきました。
あの本はおとぎ話の部分も本文もとても楽しかったです。
これからも楽しい本を読ませていただくのを楽しみにしてます。
投稿: ともみ | 2009年3月29日 (日) 13時11分
ともみさん、コメントありがとうございました!
「カラスの王子」はホイトさんのオリジナルであることはまちがいないのですが(ご本人がインタビューで答えているので)、神話などにヒントを得ている部分もあるそうです(これもご本人談)。また楽しい本をおとどけできるよう、これからも心をこめて翻訳したいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: モービー | 2009年3月29日 (日) 19時31分